積乱雲は嵐を呼ぶ

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気象の基礎知識
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 夏を象徴する雲といえば、入道雲。

 気象の世界では積乱雲と呼んでいます(普通の入道雲は雄大積雲で、金とこ状の構造を伴う場合のみ積乱雲と呼ぶという説明もあります)。

 もくもくと、空高く伸びていく姿は、雄大だと感じる人も多いでしょうが、天気の急変と危険な気象現象を起こす元凶です。

 積乱雲について、解説します。

夏に積乱雲ができやすいのは?

積乱雲の写真(気象庁HP)
積乱雲の写真(気象庁HP)

 夏になると強い日射によって、気温が上がります。

 また、太平洋高気圧から噴き出す湿った南風が日本に吹き付けます。

 こうした高温多湿の空気が山にぶつかるなどして上昇気流になると、高温の軽い空気はどんどん上昇して、上空十数キロに達する背の高い雲を作ります。

 これが積乱雲です。

 積乱雲は年中みられるのですが、8月から9月にかけては、地表の気温は依然として高いのに対し、上空には寒気が入ることが多くなり、積乱雲が発達しやすくなります。

強雨+雷+突風の三点セット

積乱雲のしくみ(防災科学研究所HPより)
積乱雲のしくみ(防災科学研究所HPより)

 イラストをご覧ください。積乱雲の中では上昇した水蒸気が急に冷やされ、氷の粒となって、重力の力で地面へ落ちてきます。

 この氷の粒は落ちていく途中でどんどん成長し、そのまま降ると雹(ひょう)に、途中で融けると強雨となります。

 また、この時発生する静電気が雷で、大変危険な現象です。

 この降水の過程で、激しい下向きの空気の動きが起こり、地表に冷たい突風をもたらします。

 竜巻やダウンバーストなどの激しい風も積乱雲が原因です。

 積乱雲が発達した時には、強い雨と雷、突風だけでなく、雹や竜巻など危険な気象現象にも注意が必要です。

「大気が不安定」が積乱雲の合図

 積乱雲の水平方向の大きさは十数キロで、寿命も約一時間までと、気象現象としては時間・空間規模が小さく、予測が困難です。

 雷注意報が出ていれば、また、「大気が不安定」と天気予報で言っていれば、積乱雲が発生しやすい状況です。

 雨雲の動きがわかるスマホアプリを使うと、1~2時間先までであれば、大体の予想はできます。

 雷鳴が聞こえれば、積乱雲がすぐ近くに接近しています。

 雷や突風で命を落とすこともあるので、野外での作業は休止して、直ちに頑丈な建物に避難しましょう。

 積乱雲による強風や突風を知る方法は、こちらから。

 大気が不安定などの気象情報を知る方法は、こちらから。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。

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