大雪は露地野菜や果樹のように、被覆していない作物に対しても、思わぬ被害を及ぼすことがあります。
ハウスの倒壊のような壊滅的被害とはならないものの、雪の重みによる折損被害は多かれ少なかれ発生します。
露地野菜と果樹を大雪から守る対策について、事前、事後に分けて解説します。
露地野菜を大雪から守るには
事前にできる対策
露地野菜でまず一番に気をつけることは、立体性(豆類など)のものの折損や倒伏です。
支柱を点検し、必要に応じて強化しておくとよいでしょう。
そのほか、数日以上にわたる積雪が想定される場合には、土寄せなどをして高うねにし、融雪による湿害や低温による根への影響を防ぐといいでしょう。
トンネル栽培は雪の重みでつぶれることがありますので、折損しやすい作物では必要に応じて被覆資材を除去しましょう。
事後対策
キャベツ、はくさい、だいこん、にんじん等は、雪の中のほうが保温冷蔵効果があり、凍害を受けにくい状態になっています。
そのため、積雪後収穫するときは、一方向から必要なだけ雪を除いて収穫しましょう。
カリフラワーやブロッコリーのような立性のものは、雪の重みで茎葉が折れやすいので、掘り出すほうがいいでしょう。
トンネル栽培で雪が積もっている場合は、早めに除雪しましょう。
融雪水は低温害や湿害を起こしやすいので、ほ場の排水に努めましょう。
果樹を大雪から守るには
事前にできる対策
果樹にとっても積雪は枝折れを招くとともに、主枝や結果枝に長期間積雪すると、低温により枯れる種類もあるので、注意が必要です。
幼木や若木は雪害で折損しやすいので、枝を束ねて結んでおくととも、支柱等の補強を行います。
成木では、積雪前に粗剪定を実施するとともに、枝折れの恐れのあるところでは、枝への支柱をたてるか、枝つりを行うとよいでしょう。
いちじくのように寒さに弱い果樹では、必要に応じ、主枝にわらやビニールをまき、保温しましょう。
積雪が長期間続くことも予想されるので、排水対策を講じておくとよいでしょう。
事後対策
枝に折損がある場合は早急に整理して、傷口を接ろうやペースト剤で保護しましょう。
枝裂け等が軽い場合は、ボルトやカスガイ等を使って損傷部の癒合を図るとともに、樹勢の回復に努めるため、結果量を制限しましょう。
園内に積雪が多い場合は、(雪があまり積もらない地域では)除雪するのがベターです。
まとめ
露地野菜や果樹についての大雪対策についてまとめました。
事前の対策を早めに行うことで、余裕をもって作業ができます。
あらかじめ、農園タイムラインを作っておくといいでしょう。
農園タイムラインはこちら。
そのほか、このサイト内の関連リンクは以下のとおりです。
ハウスの大雪対策についてはこちら。
最後までお読みいただきありがとうございました。